目次
本の概要・読むべき人
2035年に一人暮らし世帯が1846万世帯になる予測されています。
この超おひとりさま社会に求められるのは何なのか?新しい時代を読み解く社会デザイン研究者 三浦 展 氏が日本のゆくすえを解説していきます。
本書では、日本人がこれから何を求めていくことになるのか、どういった社会であるべきなのか提示されています。今後求められていく商品、サービスのヒントが散りばめられていますので、
企業して新しい事業を考えている人
どういったものに投資していくか検討している人
にとって参考になる部分が多々あると思います。
特に以下の表の黄着色部に該当する人におすすめです。
新しいことに挑戦する人は、社会全体がどういう方向に向かうのかをまず知る必要があります。
本書は情報収集していくうえで、有効になるかと思いますので、是非手に取ってみてください。
著者の紹介
三浦 展さん
カルチャースタディーズ研究所主宰。
パルコに入社し、マーケティング誌『アクロス』編集長を務めれています。
1999年に「カルチャースタディーズ研究所」を設立し、消費社会、家族、若者、階層、都市などの研究を踏まえ、新しい時代を予測し、社会デザインを提案されています。
本書以外にも
下流社会
東京は郊外から消えていく!
第四の消費
などを執筆されています。
本の要約・ポイント
ポイント①おひとりさま社会の現状を知る
現在の少子化・高齢化を考慮に入れますと、老若男女において一人暮らし世帯が増えていくと予想されており、2035年には1846万世帯に増加すると予想されています。
日本のおひとりさま社会には特徴があります。
シニア男性は若者化、シニア・ミドル女性はアクティブ化、ミドル男性はおうち志向化、若者男性は主婦化、若者女性は男性化と消費傾向が年齢差、男女差が小さくなり、求めているものが共通化傾向です。
また物の消費より、サービス(スポーツ観戦、映画、外食、家事サービス等)に対して消費する傾向が強くなっています。
本書では、今後おひとりさま社会が広がっていくことによって日本の消費はどう変化していくのかについて深堀りされています。
ポイント②おひとりさまは何を求めているのかを知る
二人で協力して生活していれば何ということでないことも、一人暮らしの場合は難しくなることが多々でてきます。高齢であればなおさらです。
生活の様々な局面で「ケア」が求めれています。最も求められるのが、健康面のケア=ヘルスケアになで、そのヘルスケアの基本となるのが食事です。そのため、自然食品、宅配ビジネス、下ごしらえ済の食材などに注目が集まりつつあります。
またおひとりさま社会では、地域に友達、知人をつくり、助け合いながら生活できるかが重要になってきます。そのため、集合住宅やシェアハウスの需要も増えてきています。
こういった背景より、人がつながるコミュニティをいかにしてつくるのか、またそれが企業の利益にもなるようなビジネスをつくれるのかが重要になっていきます。
ポイント③コミュニティという商品を買う時代が来る
おひとりさま社会を乗り切るため、より楽しくさせるためには、新たなビジネスや仕組みが必要になります。
買い物という一つに焦点をあてても、徒歩圏内で生活必需品を買うことができない「買い物難民」と言われる人が増加しています。
宅配サービス、移動販売、店への移動手段の提供、便利な店舗立地が新しいビジネスにつながる可能性があります。
本書で提案されているのが、「コムビニ」というコンビニでもファミレスでも居酒屋でもない新しい業態です。
コムビニ
地域密着型のコンビニで、地域住民とコミュニケーションを図り、コミュニティ形成に貢献できる業態で転換させたイメージで、コミュニティ・コンビニエンス・ストアでコムビニということです。
例えば現在のコンビニでは、ものが便利に手に入りますが、サービスが便利に手にできるようにすることもニーズがありそうです。
このようにお互いに助け合える地域社会の創造が新たなビジネスにつながるのではと提唱されています。
このコムビニがコミュニティとして成熟すれば、それ自体が商品になり得るということです。
このように本書では、おひとりさま社会に焦点を当てて、多角的に今後の需要を予測されています。
終わりに
本書では、日本人がこれから何を求めていくことになるのか、どういった社会であるべきなのか提示されています。
今後求められていく商品、サービスのヒントが散りばめられていますので、
企業して新しい事業を考えている人
どういったものに投資していくか検討している人
には是非、手に取ってもらいたい一冊です。